芸術

24歳、私は東京のデザイン専門学校を中退し、東京に残り、似顔絵なんかを描きながら下北沢でふらふらと、なんとなく過ごしていた頃、熊本の祖母から呼び戻されました。なんでも、母がイギリスで展覧会を開くので、手伝えとの事でした。表面では抵抗しながらも、無目的になっていた私は、面白そうなので内心楽しみに下北沢の風呂なしアパートを引き払い、熊本へ帰りました。話は飛びますが、、。いざイギリス the air gallery へ。手伝うと言っても、ほとんどする事なくテイトギャラリーへ目当てなく行った時の事でした。ズド〜〜〜ン!!と初めて見る絵画の前で40分ほどだったと思いますが、動けなくなった事がありました。   この絵です。他にルーベンスや、レンブラントなんかもあった記憶があります。私は何度も何度もこの絵の前に戻り、気になって仕方がありませんでした。   [caption id="attachment_60" align="alignnone" width="300"] フランシス・ベーコン[/caption]   ベーコンは、同性愛者だったようです。風貌が、なんか、納得してしまいます、、。   絵筆をキャンバスへ投げつけ、それが人物となるのが理想なのだと画集で読んだことがあります。   いいですね。何がいいだろう。 感覚的な事で申しわけありませんが、たまらんです。テイトギャラリーで、ルーベンスと意識して比べてみましたが、ベーコンのパワーが数段上でした。レンブラントと同等だと感じました。 まだベーコンと出会ってない方。ぜひ調べてみてください!   大森デザインスタジオ/グラフィックデザイン(ロゴマーク、ポスター、パッケージ、チラシ、広告、サイン計画など)webデザイン、SEO対策、プロダクトデザイン、建築・店舗デザイン、ランドスケープデザインなど(ムカウプロジェクトチームとして、ホテル・旅館の再生・プロデュース、企業ブランディングなど。)  ...

サルバドール・ダリの絵画(画集)を初めて見たのは、私が中学生の頃でした。その頃、根拠のない自信に支配されたような生意気な小僧であった私は、ダリの心象風景に衝撃を受け、夢中になりました。 世紀末(1990年代)に差し掛かるとする時期。世紀末にはエログロナンセンスが流行るといいますが、私の気分も時代の雰囲気に流されていたのでしょう。中学生だった私はまさに、エログロにどっぷり魅了されました。画集を集めたり、後に動画サイトで検索しまくった記憶があります。 記憶で書きますが、ダリは若い時代はかなりのイケメンで早くに成功し、お金が大好きで、著名人を集めて夜な夜な派手なパーティーを開き、著名人の肖像画を描いています。 [caption id="attachment_48" align="alignnone" width="219"] イケメンダリ[/caption]   ロシア人の「ガラ」と結婚し、商才のあったガラは、ダリを部屋に閉じ込め、絵を描かせまくり、自分はダリがガラの為に建てた城のような家に若い男を連れ込み、招待状がないと、ダリはその家に入れなかったそうです、、、。おそろしい。   [caption id="attachment_47" align="alignnone" width="233"] なんだか寂しそうにみえます、、、。[/caption]   一方ダリは、お金が大好きですから、版画を量産。サイン入りの白紙の紙を売りさばいた時期もあるようです。 [caption id="attachment_52" align="alignnone" width="300"] 仕事が荒いですよね。[/caption]   [caption id="attachment_53" align="alignnone" width="211"] これも荒いなー。[/caption]   売り絵に走ったことが、ダリの絵をダメにしたと私は思っています。晩年は力の入った作品がありますが、上手いけど魅力がない。これは私の「好み」ではないと思います。 若い時の作品がとても良くて、晩年につまらなくなる画家はけっこういます。これは、若い時は、身を立てるために、「人の見立て」を意識し、成功した晩年は、「自分の世界を全うしている」ということかもしれません。 画家としての姿勢は、後者に魅力を感じますね。     大森デザインスタジオ/グラフィックデザイン(ロゴマーク、ポスター、パッケージ、チラシ、広告、サイン計画など)webデザイン、SEO対策、プロダクトデザイン、建築・店舗デザイン、ランドスケープデザインなど(ムカウプロジェクトチームとして、ホテル・旅館の再生・プロデュース、企業ブランディングなど。)...

大分県立美術館へ初めて行ってきました。坂茂さんの建築と、長谷川等伯の水墨画が今回の目当てでした。「等伯が来てる」の情報のみで行ってみたら、嬉しい誤算が。等伯のみならず、錚々たる顔ぶれでした。自分の事は一旦棚起きして、自由な感想を。マチス(切り絵や、朱色時代の絵画4、5点なかなかよいものが来ていました。大らかで、豊かで、やっぱりいいです!)、ピカソ(力の入っていない油彩3点ほど。それでも色が素晴らしかった)、ルソー(1点のみ。ルソーは不器用な画家で、その味わいがいいと今まで思っていましたが、上手い。あの味わいは、確信犯なのだと感心しました。色も美しく、ルソーの純真さが伝わってくるようで長く見入っていました。)モネ(年取って来てだんだん好きになってきましたが、展示されている油彩は私には退屈なものでした。)ウォーホル(他の作品と並べて見るとやはり響いてこないです。私はウォーホルを、「歴史的にみたスーパーアイデアマン 」だと思っています。作家というよりも、優れたアートディレクターではなかったでしょうか。亡くなる間際の「ぜんぶうそ」の言葉は好感が持てます。その他、ミロ、タンギー、カンディンスキー、藤田嗣治、宇治山哲平、奈良美智、などなど。そして長谷川等伯。 深々とした松林が目前に広がって、清々しい空気が絵の周りに漂っていました。熊本でも見応えのある展覧会を開いてほしいですね。...